「………大丈夫?」
 

心配になった真紅が問うと、架ははっと目が覚めたように頭(かぶり)を振った。


「だ、大丈夫っ。だい――………」


「全然大丈夫じゃないよねっ! ちょっと保健室行くよ!」
 

言いかけて落ちた架を、真紅は強制連行した。
 

保健室のベッドに放り込んで、真紅は留守にしている教諭への言伝を書くことにした。


架を少し寝かせてもらわないと。
 

教諭は百合緋の親戚だそうで、転校して初日に身バレしている。


「……ごめん」
 

ベッドスペースとを区切るカーテンはまだ開けられている。


架は完全に真紅に肯いたわけではないと言うように、腰かけた格好のままだ。