(………だからって) 別れる気なんてない。 父は無理を押して母を連れて来たくらいだ。 最悪、自分も同じことをする。 その場合懸案(けんあん)になるのは、真紅の親友と紅亜の存在だ。 真紅をここから連れ出せば、海雨とも離してしまうことになる。 真紅は海雨を助けるために影小路に入ることを選んだのだ。 それを、恋人だからという理由で引き離せるわけがない。 海雨が――ずっと一緒にいた友達が――いなければ、黎が出逢った真紅もいないのだから。