「わざわざ迎えか?」


「護衛の間違い」
 

影小路の家から少し離れた曲がり角で、黎は足を停めた。


そこにいたのは弟だ。

 
架が後から来ていたことは承知していたので、特に驚くことはない。


真紅は気づいていなかったようだが……そういうところ、まだまだ未熟ということか。


「いいのか? 真紅、お前の言ったことに意味、ちゃんと理解してないぞ」