それからの日々に、視察が増え、時が経つにつれ、王妃の視察に随行することもあった。 王宮から出るときは、私は、王女として出ていく。 自分であって、自分ではない。 演技では済まない。 自分を殺しているような、そんな感覚だった。 王女の侍女で護衛担当でもあり、時に、王女でもある。 チグハグな心に、アリアという人はどんな人だったのか、自分でも忘れてしまいそうだった。