「それでも俺はクラリスの茶が飲みたいと思った。だから彼女に頼んだ。彼女の茶でないと、仕事も捗らないし」
クラリスは胸の奥がじんわりと温かくなるのを感じた。嬉しかった。今までの自分の仕事を認められたことが報われたような心地がした。
「そんな、ランティス様…」
泣きながら名前を口にするセレスティーナなど見向きもせず、ランティスはひとつ腕組みをすると「俺がこの国の王だって分かっているよね」といつもの笑顔と口調で言った。
「お父上を見ていたら分かると思うんだけど。王様って意外と忙しいんだよ。執務がたまると大変なんだ」
何を言われているのか分からないセレスティーナは首を傾げる。そんなセレスティーナを見てランティスは「はっきり言わなきゃ、分からないんだね」とまた冷たい笑顔を見せた。
「もうきみと話をしたくないって、言っているんだよ」
セレスティーナは目を見開く。
その時、見計らったように執務室の扉が開いた。
「さあ、部屋からもう出てくれるかな?」
部屋の外の衛兵が2人執務室の中に入ってきて、座り込んでいるセレスティーナの両腕を掴む。
「お、お待ちください、陛下、陛下!」
叫ぶセレスティーナにランティスは目も向けない。そして衛兵が引きずり出すようにしてセレスティーナを部屋の外へ連れ出したのと同時に扉は音を立てて閉まった。
クラリスは胸の奥がじんわりと温かくなるのを感じた。嬉しかった。今までの自分の仕事を認められたことが報われたような心地がした。
「そんな、ランティス様…」
泣きながら名前を口にするセレスティーナなど見向きもせず、ランティスはひとつ腕組みをすると「俺がこの国の王だって分かっているよね」といつもの笑顔と口調で言った。
「お父上を見ていたら分かると思うんだけど。王様って意外と忙しいんだよ。執務がたまると大変なんだ」
何を言われているのか分からないセレスティーナは首を傾げる。そんなセレスティーナを見てランティスは「はっきり言わなきゃ、分からないんだね」とまた冷たい笑顔を見せた。
「もうきみと話をしたくないって、言っているんだよ」
セレスティーナは目を見開く。
その時、見計らったように執務室の扉が開いた。
「さあ、部屋からもう出てくれるかな?」
部屋の外の衛兵が2人執務室の中に入ってきて、座り込んでいるセレスティーナの両腕を掴む。
「お、お待ちください、陛下、陛下!」
叫ぶセレスティーナにランティスは目も向けない。そして衛兵が引きずり出すようにしてセレスティーナを部屋の外へ連れ出したのと同時に扉は音を立てて閉まった。


