国王陛下の極上ティータイム

セレスティーナの問いかけに、「そうだよ」とランティスは即答した。


「この城で働く者達は皆、俺達王族のために心から尽くしてくれている。絶対に裏切ったりしない。そんな彼らが俺の誇りで、大切な存在だ。そんな彼らの言うことなら信じられるさ」


「だからこそ」と一呼吸置いて、ランティスはにっこり笑った。


「彼らを侮辱する者も、馬鹿にする者も俺は許さない。傷つける者も、危険を加えようとする者なんて言語道断。それが賊でも、貴族でも、他国の王族でも、許しはしないよ。もちろん、セレスティーナ、きみでもね」


「言い逃れはできないよ」と追い打ちをかけるようにランティスは言う。

「きみは隣国の姫という立場で、王宮使用人を、我が国の民を危険な目に遭わせた。同盟国の民に危害を及ぼしたんだ。それが一体どれほどのことなのか、分かっているのかな? これは同盟国間の信頼関係に大きな傷をつけたと言っても過言ではないのだよ?」


大袈裟な言い方をする、とクラリスは溜め息を吐きたいくらいだった。

ランティスの言うことも一理ある。

しかしながら、セレスティーナは一国の姫で、クラリスはただの王宮お茶係。セレスティーナがクラリスに危害を加えたからと言って、何かセレスティーナに制裁は与えられないのが普通だ。クラリスはただ、セレスティーナにいじめられたと泣いて眠るのが関の山だろうし、クラリスもそれが妥当だと分かっていた。