国王陛下の極上ティータイム

「そ…それは、どういうことでしょう?」

「セレスティーナ、本当は分かっているのではないかな?」

するとセレスティーナは「な、何のことでしょう?」と白を切る。ランティスはにっこりと笑顔を保ちながら言った。


「彼女を掃除倉庫に閉じ込めたのはきみだよね、セレスティーナ」


執務室の中にいる全員の目がセレスティーナに向いた。セレスティーナは目を見開いて、顔を引きつらせる。

「ち、違いますわ、な、何をおっしゃって…」

「まだ白を切るつもりなのかな」

「残念だよ、セレスティーナ」とランティスは呆れたような笑みをセレスティーナに向ける。


「きみはもっと、素直な子だと信じていたのに」


するとセレスティーナは焦ったように「ご、誤解ですわ!私は何もしていません!」と反論する。

クラリスはいよいよ我慢ならなくなって、「お言葉ですが」とセレスティーナに反論しようとした。しかしそれより先にランティスが「誤解?」と聞き直した。


「うちの庭師や侍女達が言うには、セレスティーナがクラリスの腕を掴んで歩いて行ったと証言しているよ。しかもクラリスは腕を離してほしいと、どこに向かっているのかと尋ね続けていた、と。おまけに掃除倉庫の前で2人が話していたのも複数の衛兵が目撃している。これをどう弁解するのかな?」

変わらない笑顔と穏やかな口調で淡々と事実を述べるランティスの言葉を聞きながら、徐々に顔色を悪くしていくセレスティーナは「ランティス様は私よりも使用人などの言葉を信じると言うのですか?」と焦りを隠せずに尋ねる。

「幼い頃より親しくしていた私の言葉は信じてくださらないのですか?」