ブランがローズヒップティーを淹れてくれた翌日、ジルダのブレックファストを陛下に届けるために早朝から一人で準備をしていた。
ブランはまだ出勤していないが、クラリス一人でも問題なかった。ローズヒップティーを淹れてもらったおかげで疲れも取れている上、これ以上手伝いを頼むわけにもいかない。これはクラリスが頼まれた仕事だ。
陛下の自室に届けると、やはり朝から側近のディオンが陛下を起こすのに必死になっていた。
よく見ると陛下は目を覚ましているらしかったが目覚めが悪いのか夢うつつであり、それをディオンが必死に覚まそうとしている。
「起きてください、ランティス様!」
毎朝のことだろうにディオン殿も懲りずによくやる、とクラリスは傍(はた)から見つめていた。それでも陛下が起きないことには仕事も回らないので大変なのだろうなと思うとやはりディオンに同情するしかなかった。
「ランティス様、お茶をお持ちしました」
クラリスが冷たい声でそう言うと、陛下はようやく目を覚ましたのか起き上がった。
「クラリスか、すまない。ディオンも」
気が抜けるような笑み。どうしてこのような気迫のない人物が国王陛下などという身分に立っているのだろうかといささか疑問にも思ってしまう。
それからブレックファストを淹れて差し上げると「ありがとう」と笑顔で受け取る。
それから一口飲んで「やっぱり苦いね」と顔をしかめるのだった。
「苦い方がランティス様のお目も覚めるかと」
「違いないですね」とディオンが大真面目な顔をして腕を組む。
ブランはまだ出勤していないが、クラリス一人でも問題なかった。ローズヒップティーを淹れてもらったおかげで疲れも取れている上、これ以上手伝いを頼むわけにもいかない。これはクラリスが頼まれた仕事だ。
陛下の自室に届けると、やはり朝から側近のディオンが陛下を起こすのに必死になっていた。
よく見ると陛下は目を覚ましているらしかったが目覚めが悪いのか夢うつつであり、それをディオンが必死に覚まそうとしている。
「起きてください、ランティス様!」
毎朝のことだろうにディオン殿も懲りずによくやる、とクラリスは傍(はた)から見つめていた。それでも陛下が起きないことには仕事も回らないので大変なのだろうなと思うとやはりディオンに同情するしかなかった。
「ランティス様、お茶をお持ちしました」
クラリスが冷たい声でそう言うと、陛下はようやく目を覚ましたのか起き上がった。
「クラリスか、すまない。ディオンも」
気が抜けるような笑み。どうしてこのような気迫のない人物が国王陛下などという身分に立っているのだろうかといささか疑問にも思ってしまう。
それからブレックファストを淹れて差し上げると「ありがとう」と笑顔で受け取る。
それから一口飲んで「やっぱり苦いね」と顔をしかめるのだった。
「苦い方がランティス様のお目も覚めるかと」
「違いないですね」とディオンが大真面目な顔をして腕を組む。


