国王陛下の極上ティータイム

クロードがそれに続き、ディオンはランティスを心配するような表情を浮かべたまま残っていた。

残された応接間には重い沈黙に包まれている。

眉を潜めるアルベルトの表情は、どこかで見たことのある表情だとクラリスは思った。それがどこで見たものかと考えていると、ディオンが柔らかみのある声でアルベルト王の名前を呼んだ。

「アルベルト王様、お部屋を用意しております。側近殿、おつきの方の分も用意しておりますので、どうぞお使いください」

「__心遣い、感謝する」

それから立ち上がり、用意したという部屋に向かう。

紅茶は1杯分残されたままだった。


アルベルト達が応接間を出た後、残されたのはクラリスとディオンだけだった。

ディオンは大きな溜め息を吐いて「困ったことになった」とごちた。

「ディオン殿…」

思わずクラリスが呟くと、ディオンは顔を上げて「大丈夫です!」と慌てて言った。


「ランティス様は絶対にフォルストに攻撃しようと言い出したりしないので!」


それからふっと視線を落とした。