国王陛下の極上ティータイム

「その話というのは?」

ランティスの問いにアルベルト王は黙り込む。

なかなか話を言い出さないアルベルト王にしびれを切らしたクロードが「お聞きしたいことがあるのですが、よろしいでしょうか」とアルベルトに問いかけた。


「アルベルト様は今この国がどの国とも連絡を取ることができず、交易の一切が閉ざされてしまっている状況をご存知でしょうか」

丁寧な言葉と声色に抑えられてはいるものの、言葉の端々から抑えきれない鋭い意志を感じ取れる。

「ああ。聞いている」

アルベルトの答えにクロードは拳を固く握った。


「巷の噂では、その原因が、アルベルト様、貴方だと。それは本当でしょうか」


その視線だけで人を殺してしまえるのではないかと思うほどの鋭いクロードの視線を向けられたアルベルトは目を閉じ、ひとつ呼吸を置くとまっすぐクロードを見据えて答えた。


「__ああ」


ランティスとディオンは目を見開き、クロードは更に強く拳を握る。


「なぜにそのようなことを!」


「__クロード」


立ち上がり今にも剣を抜きそうな勢いのクロードを、ランティスは言葉だけで止める。


「やめろ。座れ」


その言葉は決して荒々しくはない。けれどその言葉には氷のような冷たさがあり、クロードはその言葉に気圧され、黙って椅子に座った。