その僅かな隙に私の手が解放されて、すぐにせんぱいが私の体を3人の中から引き剥がしてくれた。
そして、ぐっと私のことを抱き締めるようにして、自分の胸の中に閉じ込めた。
「わりぃ。遅くなったな。怖かったろ?大丈夫か…?」
「っ。せんぱ…」
私の体は小刻みに震えている。
せんぱいはもっと強く私を抱き締めた。
そして…。
ちらり、と私の手元に目をやった。
「…ちっ。てめぇら…ふざけんなよ?あぁ?」
「ひっ…」
私の右手首の、握り締められた時に出来た痣を見て、せんぱいの怒りは頂点に達したようだった。
「…てめぇら、3人、無事で帰れるとは思うなよ…?」
静かに言い放った、せんぱいの威圧感は半端ない。
せんぱいの腕の中にいる私でさえも、息を飲んでしまう程強くて怖い…。



