「そう、だね。薫せんぱいも、なんか…足長いからかな?凄く格好いい…」

「うーわ。惚気た。未麻が惚気たー!」

「な!?そういう円香だって、散々惚気てるでしょー?」

「私はいいの!だって、片想いだもん。私が一方的に好きなだけだもん!」



でも、そう思っているのは、円香だけだよ…そう言い掛けて、もう一度窓の外を見ると…。


「みーま!薫せんぱい、未麻のこと見てるよー?」



授業が終わって、片付けも済んだのか、校舎の方へ歩いてくるせんぱいがこちらを見ているのが分かる。


そして、せんぱいの口唇が何かを言うように動いてるのに、気付いた。