その日を境に、私は薫せんぱいと、他の四人に守られるようになった。
そして、札付きの悪だったはずの彼等は、すっかり大人しくなり、中山先生の怒号を聞く機会もぐんと減った。


そんなこんなの日々が続き、今はお昼休みの真っ只中。
ちゃっかり、円香は前から気にしていた由井せんぱいにくっ付いていて離れない。
でも、私にはあんまり優しくない由井せんぱいも、円香には気を許しているようで、素っ気無いフリをしつつも円香の手作りのお弁当を食べている。


長閑だなぁ…。


私は空を仰いだ。
こんな長閑な日々を送っていてもいいんだろうか?
それは、こんな私にはとても勿体無いような気がしていた。


そんな私の気持ちに流れに気付いたのか、薫せんぱいは私の方を向いてふ、と笑い掛けてくる。
あまりにもそれが自然な流れだったから、私は思ったことを口にしてみた。