「…てら…あ。…薫せんぱいもAvidのファンだったんですね!…今夜のライヴ素敵でしたよね!!」


私は緊張して、上擦ってしまう声を隠すように早口でそう問いかけた。



「……」

「…?」

「……お前、誰のファンなんだ?」

「え…それは、その…」




突然の質問。



ジッと見つめてくる視線は、何故かとても熱くそして優しい。


その視線に自分の気持ちを曝け出す事を躊躇していると、神谷せんぱいが助け舟を出すようにして口を挟んできた。


「おーい。薫ー?そんなに凄んでちゃ、未麻も答えらんねぇって。なぁ?未麻?」

「…えっと…」

「いいんじゃねぇの?この際ハッキリ言ってやれば?」