ここ、晴嵐(せいらん)高校の一日は、生活指導の鬼と呼ばれる中山先生の怒号から始まる。



「こらー!さっさと教室に入らんかー!お前らー!!」



木刀にも似た指示棒を持って、校門に仁王立ちで立つ先生の視線の先には、HRが始まってもなかなか集まらない生徒たち5名。
見るからにかったるそうに、時にガムを噛んではその辺に吐き捨てる人もいて、その周りを行く通勤のサラリーマンやOLさん達があからさまに嫌そうな表情を浮かべている。


「寺門ー!由井ー!羽鳥ー!尾上ー!神谷ー!いい加減にせんかー!」


先生は今にも血管が切れそうだ。
でも、毎日毎日よくもまぁ、飽きないものだと…既に教室でHRを受けている皆がそう思ってるのが、手に取るように伝わってくる。