向かったのは、今流行りのジビエ料理が美味い店。
まぁ、俺は実際に来たことはなく…親交のある友人のつてで選んだんだが…。
若者で賑わっているかと思ったが、その予想を良い意味で裏切り店内はとても落ち着いていた。
「わぁ…」
少しだけ薄暗い店内にはハスキーな生ジャズ・シンガーが歌声を披露していて、なんとも異国籍な感じがする。
入り口に設置された大きな水槽には見たこともない魚が、まるで人魚のように優雅に泳いでいて、彼女は感嘆の声を漏らした。
「いらっしゃいませ。前野様、お待ちしておりました。それではお席までご案内致します」
にこりと微笑んで先頭を切る支配人も、清潔感があってとても感じがいい。
それに加えて、窓から見下ろせる宝石を散りばめたような夜景が、どうやら彼女のお気に召してもらえたようで、ホッと安堵した。
ジビエと言っても、和洋創作料理の店だ。
此処ならば、個室でもあるし、きっと彼女も気兼ねせずに寛いでくれるだろう。
「ジビエは初めてか?」
「はい!なんだかドキドキしますね!」
「料理じゃなくて、俺にドキドキしてもらいたいもんだな」
「それは嫌です。要人しゃ…」
「要人。プライベートに役職名はナンセンスだろ」
「か、要さんは…このお店は初めてですか?」
「…ん?いや、初めてだ。それが何か?」
そう質問に答えると、気のせいか、どことなく嬉しそうな表情を浮べる彼女。
これは……チャンスだと捉えてもいいのだろうか…?
まぁ、俺は実際に来たことはなく…親交のある友人のつてで選んだんだが…。
若者で賑わっているかと思ったが、その予想を良い意味で裏切り店内はとても落ち着いていた。
「わぁ…」
少しだけ薄暗い店内にはハスキーな生ジャズ・シンガーが歌声を披露していて、なんとも異国籍な感じがする。
入り口に設置された大きな水槽には見たこともない魚が、まるで人魚のように優雅に泳いでいて、彼女は感嘆の声を漏らした。
「いらっしゃいませ。前野様、お待ちしておりました。それではお席までご案内致します」
にこりと微笑んで先頭を切る支配人も、清潔感があってとても感じがいい。
それに加えて、窓から見下ろせる宝石を散りばめたような夜景が、どうやら彼女のお気に召してもらえたようで、ホッと安堵した。
ジビエと言っても、和洋創作料理の店だ。
此処ならば、個室でもあるし、きっと彼女も気兼ねせずに寛いでくれるだろう。
「ジビエは初めてか?」
「はい!なんだかドキドキしますね!」
「料理じゃなくて、俺にドキドキしてもらいたいもんだな」
「それは嫌です。要人しゃ…」
「要人。プライベートに役職名はナンセンスだろ」
「か、要さんは…このお店は初めてですか?」
「…ん?いや、初めてだ。それが何か?」
そう質問に答えると、気のせいか、どことなく嬉しそうな表情を浮べる彼女。
これは……チャンスだと捉えてもいいのだろうか…?



