【完】V.I.P〜今宵、貴方だけの私になる〜

だけど、俺から出た言葉は…。


「キレイ、だ」

「なんで、棒読みなのよ?」


ジュリアンに突っ込まれて、小さく溜息を吐く。


「たった一時間でも、他の男と2人きりにしたんだ。イライラしたし、滅茶苦茶逢いたかったと言ったら?」

熱っぽい視線を彼女の方に投げると、彼女は今度こそ真っ赤になって叫ぶ。


「た、たった一時間くらいのことじゃないですか!それにひとを玩具みたいにして…何を企んでるんです?!」


その一言に、心外だと言わんばかりにジュリアンが口を挟む。


「あらぁ?玩具になんてしれてないわよ?忍は私の作品だもの」

今度は、その一言に彼女が愕然とする番だった。


「さ、作品…って…」

「ジュリアン!」

「うふふ。う、そ、よ。どう?忍は素が良いから私の腕も鳴ったわぁ」


そんな恍惚気味なジュリアンの声も遠くにしか聞こえない。
それくらい、彼女は素晴らしく美しかった。