【完】V.I.P〜今宵、貴方だけの私になる〜


「ほらほら、さっさと入る!」


急かされてジュリアンに招き入れられた社長室は、普段自分が使っている場所とは違って見えた。
何故なら、そこにいた彼女がまるで別人だったからだ。


ボルドーカラーのAラインワンピースは、ホルターネックで胸元が大胆に開かれている。
けれど、インナーに黒のチューブトップみたいなものをきているせいか、全くいやらしさを感じさせない。
ウエストラインには、縦にいくつかのラインストーンがあしらってあり、彼女が動く度に輝きを増す。


普段から細いと思っていた腰を強調されることで、彼女のボディラインを手に取るように感じてしまい、今すぐにでも手を伸ばしてしまいたい衝動に駆られた。

メイクはほとんど弄られていないように見えるが、よく見るとアイメイクが少しだけ変わっていた。
ヌーディーなアイシャドウが、彼女のすの良さを存分に引き出されていて、パリコレモデルばりに変身した彼女は、ジュリアンの言った通り最上級だった。