【完】V.I.P〜今宵、貴方だけの私になる〜

「あ、あの…私」

「いいから、いいから。えっと、忍、でいいかしら?」

「あ、はい…」

「OK。忍。貴女は私と一緒にこの部屋に残って。そして要人は即刻出ていきなさい」

「仕方がないが、退散することにしよう」

「そう。そうして頂戴。仕上がったら呼んであげるわ」


不安そうにしている彼女を横に、ジュリアンはその場を仕切る。
その指示は迅速且つ的確で、第一線で戦っているトップアーティストだと言うことに、改めて気付かされる。

「分かった。じゃあ…ジュリアン頼んだぞ。…忍、可愛くしてもらえよ?」

「……っ?!」

サッと頬が赤らんだ彼女の肩に軽く手を置いたジュリアンが、にっこりと微笑んだ。

「ふふ。当然なるわよ。忍なら、ね」