【完】V.I.P〜今宵、貴方だけの私になる〜

「まぁ！貴女が要人の？いいわ。その瞳。とても澄んでる…これは色々と手の加え甲斐がありそうね！」

「え？…いえ、あの…私は、社長とは…」

「いいからいいから。照れるのもいいわぁ…流石ね。要人。今回ばかりはあんたのセンスを褒めてあげる」

「…そりゃどうも…」


突然べらべらと話し掛けられ、彼女は困惑したように俺の方を向く。
視線が俺に戻ってきたことになんとなく安堵しつつ、彼女にこの『来訪者』の紹介をすべく、口を開いた。


「こいつは、俺の大学時代からの悪友の、ジュリアン。こんな容姿だが列記とした”男”だ」

「…へ……？」

「なによ、悪友って？私達いいパートナーだったじゃないの」

「あのな、そういう勘違いされるような言い方はやめろ」


そんなやり取りを目の当たりにして、彼女はパチパチと瞳を瞬かせている。