「ドナーの件ですよね。その病院までは遠くて配送に時間が…「それなら、俺が届けます」


そして、俺は託された。

ー 絶対、俺が届けます。


命に変えても ー


君の命が尽きるまで、後少し。

バイクに飛び乗り、ドナーを運ぶ。


だけどーーーやっぱり、あの時自分が助かったのは"奇跡"で。


二度目は、ないんだと、感じた。


黄色い点滅が、近づく。


早く行かなきゃ間に合わない。


守らなかった交通機関。


横から飛び出す、大型トラック。


鈍い衝撃ーーーーーー



何も感じない。


俺はーーーーーー


側で、サイレンの音がする。

ポケットからカードが溢れ落ちる。

それは、少し汚れた臓器提供カードだった。