「頼、どういうことだ。


凛に何があった。」



詰め寄る総長の胸を押した。


「そのまんまですよ、凛は今入院してます。

心臓が悪くて本当は、16歳までもたないと言われてました。


移植をすれば、助かる見込みはあるけど。


今はドナーが現れてくれるのを待つだけ。」



それは‥‥‥



「見つからなければ?」



フッ、と笑みを溢す。


「凛は、長くない‥‥‥」




長くない‥‥?


「うそっ、凛がそんな‥‥‥ッッ」


泣き始める弥生ちゃんの肩を優しくさする、春。


移植ーーーーー


「俺ちょっと出てくる」

聖也が立ち上がり、出て行く後ろ姿を見送った。


今思えば‥これが総長を見た最後の姿だった。