「聖也さん、ありがとうございます」ニコリ、と笑う凛。

「凛‥‥」

「総長、ありがとうございます!俺、ここ出ます」


頼が、突然そんなことをいう。


ここを出るーー?



いきなり、何を。


「いや、部屋なら別に用意させるからここにいろ」


俺の言葉を無視し、頼は立ち上がるとおもむろに、凛の手を引く。


引き寄せ、抱き締める。


視線の先には、冷たい顔で俺を威嚇する頼だった。