はああ、御愁傷様と春は苦笑い。


ん‥?


「‥‥あっ、いや。すいません」


何だか見られてる気がして振り向くと愛夢と呼ばれた女の子。


逃げちゃった。


「待ってよ、ねえ「愛夢さん、場内入りました」


ボックス席に、いかにもチャラそうな男がニヤニヤしながら手を振ってる。


「ごめんなさい、失礼します」


「‥‥‥」


俺はなんも言えなかった。

凍り付いた目をしている愛夢ちゃんに。