長い茶髪の髪を揺らした女は夜なのに、サングラスをかけ〈club 華蓮〉の、ドアを躊躇うことなく開けた。


「おはようございます!」


「おはよう、羅夢〈ラム〉」


夜の仕事のかわす挨拶は、まずおはようから始まる。


あたし、羅夢こと、花月 凛〈カヅキ リン〉は、ごくごく普通の17歳。


正直、18歳以下の女の子を雇う店に批判はあるかも知れないが、あたしには此処で働くしか、生きてはいけない。



学校は、たまーに行くぐらい。


あたしにとって学校は、"居場所"ではない。