「雪兎くん、もしかしてなにか…」

「どわ!?」
「ぎゃ!!?」

砂ほこりを巻き上げながら眼の前に飛び込むかのように戻ってきた彰矢と塩谷。

こいつら…。

身を起こす2人の、目の前にわざと腕組をして見下ろす。

オレの体で影になったせいか、揃って見上げてくる2人に満面の笑みを向けた。

「お前ら準備運動から全力出すなって何回言わせるんだ?しょうもないことで怪我したら、コロス」

「「…すみませんでした」」

土下座する2人に、アップから戻ってきた選手たちからは呆れた視線が向けられた。

全員アップが済んだところで、基礎練習から始める。

めんどくさいと文句があったものの、毎回基礎はしつこくやらせてる。