「でも、あと3人勧誘できれば試合出れるんですよ!今から勧誘すれば、きっと…」

「無駄無駄。女子に負けてる時点で、男子サッカー部なんて入りたいって思うやつの方が珍しいんだ。今さら勧誘したって変わんねぇよ」

「でも、やってみなきゃ…」

「うるせぇな!!とにかく、現状試合には出られないんだ!!練習はなし!それでいいだろ!!」

先輩の剣幕に、昨日のことがあったせいか、彰矢は口を閉ざしてしまう。

言い返してこなくなった彰矢を鼻で笑った先輩たちは、もう用はないと言わんばかりに荷物を持って立ち上がる。

そんな先輩たちの前を塞ぐように出入口に立った。

先輩からしてみれば、ようやくうるさい後輩が黙ったのに、再び蒸し返そうとするオレに嫌気が差しているだろう。

それでも、取らなきゃいけない“言質”は取っとかねぇと。