誰かの悪意を全力で疑いたいが、今はそれどころではない。

あと1時間以内に監督を大会本部に連絡しなければ、出場は認められないそう。

んで確認したら、監督は現役の高校生でも構わないと返事があったそうだ。

…つまり、キャプテンはオレを監督として出すことを考えてたってことか!?

頭がなかなか冷静にならないまま、キャプテンと副キャプテンに迫られる。

どうすんだよこれ…。

「何やってるんすか」

騒ぎに気がついたのか、不審に思ったのか、ぞろぞろと練習していた面々が集まってくる。

小月先輩と愛華まで集合して、結局男子サッカー部みんなで輪になって、副キャプテンから改めて話がされる。

それを聞いた1年はみるみるうちに表情を真っ青にさせていく。…だけど、先輩たちは違った。