「遅くなりました」

「悪いな。急がせて」

「いーえ。それで、どうしたんですか?」

話を切り出すと、キャプテンと副キャプテンは急に居ずまいを正してオレに向かう。

ん?

「荻原、頼む。監督をやってくれ!!」

「この通りだ!」

最敬礼で頭を下げてくる2人に思わず固まる。

…今、監督っていった?……言ったよな!!?

理解した途端思い浮かんだ2文字なんて、これしかない。

「ムリッ!無理ですよ!!!」

両手でばつ印を作って後退。てかなんでいきなり監督!?

オレの立場ぶれすぎだろ!!

全力で拒否していると、副キャプテンがハッとして事の説明をしてくれる。

大会に出場するためには監督が必要ということで、監督欄が空白だと連絡が来たと、キャプテンがさっき知ったとのこと。

なんでも、学校に連絡はあったが顧問の先生にまで連絡が回ってこなかったらしい。