「…再試とかあるのかなぁ?」

「ある。…あと、再試前提だとやべぇよ」

「なんで?」

「夏の大会初戦、再試の日だった」

「…雪兎っ!!勉強教えてください!!!」

ガシッと肩を捕まれて思わずおののく。

彰矢のあまりに必死な顔に断るわけにもいかず、頷くとあからさまにホッとした顔をする彰矢。

…へぇ、優しく教えてもらえると思ってるのかなぁ?

「彰矢、言っとくけどオレ優しくないからな?」

「…オネガイシマス」

…それでも文句言わずに頼んできた彰矢に思わず感心する。

でもまぁ、彰矢の赤点回避のためにはスパルタでやるしかないんだけどな…。

「それじゃあ早速、今日帰ったら課題の問題集を別の紙に解いてくる」

「え!?今日からやんの!?」

「当然。余裕あると思ってんの?」

「ワカリマシタ…」

すっかり意気消沈したらしい彰矢の背を叩きながら進む。

来週どうなることか、少し楽しみだ。