適当にやって来たバスへ乗り込み、どれぐらい走ったのだろう。

気づけば日は傾き、茜色の空が広がっていた。

見慣れた景色に、降りますのボタンを押してバスを降りた。

人も車もほとんどいない地元の空気が心に染み渡る。



――我慢なんかもう、しなくていい。



そう聞こえた気がして涙を流して、全力で走り出す。

息が上がる度に、小さく体が震えた。

止まることのない涙が、頬を伝って地面へと落ちていく。

なんで私ばっかり、幸せになれないんだろう。

誰かに必要とされたいのに、誰の目にも入らない。

そんな私は一人で生きていくことしか選択肢はなくて、仕事に打ち込もうと決意したのに。

何もかもが上手くいかなくなって、一人空回りしてどれぐらいの人に迷惑をかけたんだろう。

本当に私って馬鹿だ。

考えるのは自分のことばかり。

でもこうしないと、心が死んでしまう。