電車に揺られてたどり着いた見知らぬ駅を、見渡しながらマップに示された場所へと向かうために歩き出す。
落ち着いた雰囲気の駅前は、どうやらニュータウンらしい。
モデルハウスみたいな家がズラリと並ぶ道を、キョロキョロしながらも歩く。
整えられた木々がサワサワと風に揺れる。
どれぐらい歩いたんだろう、予定時間を過ぎているのになかなか辿り着かない。
喉が乾いた感覚を区切りに、少し休憩するために自動販売機で飲み物を買って喉を潤す。
元気よく遊ぶ小学生の声がどこからか聞こえてきて、ふっと見てみれば公園が見えた。
あんな頃も私にもあったんだよなあ。
なんて昔の記憶に浸ってないで早く行かなきゃ。
スマホのマップを見れば、目的地まであと少しだ。
鞄の中に買ったペットボトルを仕舞い、再び歩き出す。
公園の横を通り過ぎて、十字路を右に曲がると目的地のアパートが見えてきた。



