ベッドに投げたスマホを見ると、案の定香織からの連絡が入っていた。
その内容にスマホを落としそうになるけど、さっきみたいにヘマをしないようにスマホをぎゅっと握る。
急いで返事を返すけど、香織もしかして仕事中って可能性もある。
送るか悩んでいると、いきなり香織から電話がかかってきた。
すぐさま出てスマホを耳に当てる。
『やっほー出るか分かんなかったけど、かけてみるものね。荷物、おばさんから受け取った？』
「かっ香織！！な、なんで！！」
『なんでってそりゃあだって、あんたの目恋する乙女の目してたよ。私の観察力舐めないでくれる？』
そう言ってふん！と鼻で笑う香織に、私は何も反応ができない。
こんなことしてまで私は――
濁っていく心をどうしていいのか分からずにいると、心の傷が広がっていく感覚に唇を噛み締める。
『好きかどうかで悩んでるんでしょ』
「……」
『昔の憧れと今の心はそう簡単に結びつくわけない。だからハッキリさせてきな』
「香織……」
強い芯のある声にどんと背中を押されるような、そんな気がした。
