日付が変わってから家にたどり着いたことは覚えているけど、そこから着替えて寝る支度をしたのかどうかさえも覚えてない。
寝癖でぐちゃぐちゃになった髪に、ふてぶてしい顔が鏡に映る。
時計を見れば、午前11時を時計が示していた。
随分と寝込んでいたことに驚きつつ、少しガンガンする頭を抑えながら、ゆっくりと起き上がる。
カーテンをそっと開ければ、明るい光が差し込んでくる。
スマホに手を伸ばせば、何件かの通知が入っていた。
その通知をぼーっとする頭で確認して、なんとなく面倒になってスマホをベッドへと投げた。
そのまま部屋から出て、リビングへと向かうと人の気配があった。
「あら、おはよう。随分とぐっすりだったわね」
私の登場に驚いたのは、棚の整理をしていた母だった。
私の顔を見てクスリと笑ったかと思えば、キッチンへ向かいご飯を出してくれた。
自分の席に着いて両手を合わせてから、母を見る。
「……おはよう。今日仕事は?」
「休み」
「シフト変わったの?」
「まあね」
そう答えるとまた棚の前へと向かい、整理に取りかかった。