君の本当をこの瞳で見つめて。



その後はその空気の流れで恋バナで盛り上がり、私は静かに痛む胸を隠した。

男女別に会話が盛り上がっていたから、深い傷を負う事はないと少し安心する。

みんなそれぞれ彼氏がいて、挨拶まで済ませている子だっていた。

香織は今できたばかりの彼氏の本田くんに対して、夢じゃないのかと私に抱きついてきた。


「良かったね、香織」

「本当にあんたが帰ってこなかったらこんな事起こらなかったよ……ありがとう!」


そう言って笑顔を向けられて、私もそっと微笑んだ。

私に話題が振られないようにと、必死に香織の話題を作りあげて自分の傷をバレないように隠す。

そのまま私のことは触れられることなく、そろそろお開きの時間になった。

それぞれ会計を済まして、外へて皆に挨拶をして解散となる。

地元は同じとは言えど、今はそれぞれ住む場所が点々となっているから帰る場所もバラバラ。

また集まることを約束し手を振りながら駅へと向かおうとした、その時。