飲み物を一斉に頼み、乾杯すればもうお酒の力で昔話に花が咲く。
「あの生徒指導の勝木いたじゃん?あの人に目つけられててさー!染めてないのに髪染めただろ!って言われたことあったんだよね」
「あるある。目つけられると何もしてないのに、悪いことしてる感じで見られるあの感じね」
「俺校長からの呼び出し常習犯だったから、怖いもの知らずだっだがな」
「哲平くん確かに頻繁に呼び出されてたよね!」
昔みたいに語り合えば、中学生の頃に戻ったかのよう。
クラスのこと、部活のこと、体育祭に文化祭。
思い出してみたら案外細かい所まで思い出せるもので、話しの種は尽きることはない。
そんな話をしていれば、お酒に料理に手が自然と伸びていく。
普段はあまり飲まない私でも、今日だけは自分の限界ギリギリまで飲もうと試みることにした。
度数の高いお酒をガンガン飲み進める男性陣は、もう顔が赤く染まりあがっていた。
ギャグを1発かましてみても、どっと笑いがこみ上げるこの空気に男性陣の火はさらに燃え上がっていく。
「佐々木 香織ぃ!!!」
突然香織の名前を呼びながら立ち上がったのは、クラス委員でもあった本田くん。
真面目だった彼だけど、今はお酒で顔が真っ赤になっている。



