次の日、いつもより遅めの目覚めのせいか、少し体が重たい。
自分で作らなくても用意されている朝ごはんに、少しうるっとしながらもありがたく朝食をいただく。
もう父と母は仕事に出掛け、家には私しかいないみたい。
のんびりと身支度を整え時計を見れば、もう少しでお昼の時間へと差し掛かろうとしていた。
「うーん……ランチタイムにカフェ行くのも迷惑かな」
ちょっとプラプラして、どこかで軽食を食べて……そこから向かえばちょうどいいかもしれない。
履きなれたパンプスを履き、家の鍵を閉めて外へと向かう。
私の参上に少し驚いたご近所さんの犬が、私に向かって吠えるのを聞きながら大通りに新しくできた町へと向かう。
バスを乗り継いで着いた場所は、私が知らない町。
都会慣れしてるとは言え、地方なのにここまで人で賑わっているのは驚きだった。
……確かにみんなこっちに流れちゃうよなあ。
チェーン店のカフェや、ファストフードが学生のお財布にも優しいし。
そんな町の雰囲気を眺めながら歩いていると、肩を掴まれる。