「これは……」 冴えない男性が、一通の手紙を手に青ざめている。 「どうしたの?」 ソファーに座ってスマホを操作している、綺麗な女性が顔を上げる。 「いや……その……」 男性は渋って、その手紙を背後に隠した。 「何? どうして隠すの?」 それはただの興味本位とも言えた。 彼女は男性の手から手紙を奪い、読んだ。 「なっ……」 男性は何も言わない。 そこには、彼女を殺すという、殺人予告が書かれていた。 書いたのは、この男性ではない。 彼女の旦那だった──