きっかけは目覚めてすぐに鳴った、枕もとのスマホ。


夏休みのこんな朝っぱらから誰…?

そう思って画面をタップすれば。


その相手はあたしにやすっぽい教育論をくれる人。

単位を稼がなきゃいけないあたしとしては、断る理由もなく。

未だ夢の住人であるだろう侑斗が、あまりにも気持ち良さそうに眠っていたから…。

あたしは、そっと静かにベッドを抜け出して。
そのまま声を掛けずに早めの登校へと向かった。

夏休みの間だけ、と。
あたしの部屋に転がり込んで来た侑斗を残して…。