「少しなら暴走してもいいのに…」

「李弥さーん?それ、意味分かってて言ってる?相当な拷問だよ?」

「え?あ、やだやだ、うそ!そういうつもりじゃなくってっ」



狼狽える李弥が可愛くて、もう一方の繋いだ手を解いてその手のひらに、軽くキスを落とす。


「紘汰くんっ!」

「へへ。今はこれだけ許して?」

「も、もう!」


手のひらへのキスは求愛の印って、なんかの雑誌か、女子が話してたのを聞いたかした。

それを、自分が実践する日が来るとは思わなかったけど…。


キミを好きだと叫んでみたら…キミは気付いてくれました。


こんなにも素直になる事が、もっと早く出来たなら。

そうは思うけども、きっと。

きっと試練がなければ気付けない事が、多いから。


これからも、キミを好きだと叫んでいくよ。
だから、キミも同じくらい叫び返してくれたら、嬉しい。


「りーみ、帰ろ?」

「うん!」