【短】キミを好きだと叫んでみたら

「けど。俺…嫌いって言われた…」


がくっと頭を垂れると、陽奈の平手がまた後頭部に飛んでくる。
しかも、3回も。


「私に泣いて相談してくるって事は…?」

「まだ…余地あり?」

「てことで、勝負してきなさいよ」

「うん!さんきゅ、陽奈」


それから、午前中の授業にひたすら集中しての、昼休み。


俺は隣のクラスに行き、李弥を呼んでもらった。
クラスメイトの声掛けに最初は戸惑っていたけれど、俺の姿を見て李弥は観念したかのようにこっちに来てくれた。


「紘汰くん…なに?」

「放課後、俺の為に…空けといて?俺、ちゃんと李弥と話がしたいんだ…」

「私は…話す事、ないよ?」

「それでも、俺は話したい」

「…分かった…じゃあ、放課後に」


困った顔を浮かべたままの李弥に、俺は勢いでまくし立てた。