【短】キミを好きだと叫んでみたら

「…う、ん」

「李弥、不安なんだって」

「…え。…それはさ、俺だって…不安だよ」

「そーじゃなくて!紘汰、男なんだから少しは察しなさいよ!何時までもお手々繋いでばっかりじゃ、不安にもなるっての!」



焦れったいな!とばかりに陽奈はそういうと、人の手の甲をキュッと摘んで、


「好きな人からの嫌がらない程度の“おイタ”なら、許されるんだって」


と付け加えてきた。
その手の甲の痛みが、じわじわと俺を浸食する。


それって、俺が思ってるくらい、李弥もそう感じてくれてるってこと?

ただ、手を繋ぐだけじゃ、もう。
物足りないって、そう思ってくれてるってこと?