【短】キミを好きだと叫んでみたら

ぐりッともう一度拳を俺に押し付けると、陽奈は1つ溜息をついて、俺の隣の席に座り込んだ。


「あのさ、李弥がなんで紘汰の告白受けたか分かる?」

「それは…その…俺が必死過ぎたから?」

「はー。バカに付ける薬ってほんとないのね…」

「なんだよ、さっきからバカバカって!バカなのは自分でもよく分かってるっつーの」

「分かってないからバカなんでしょーが!」


べち!


今度は平手で頭を叩かれて、俺は膨れる。


「つーか。こういうのも李弥に筒抜けなワケ?ずりぃよな」

「…あのねぇ?そんな訳ないでしょーが!…もー。これ以上拗れて李弥が泣くトコ見たくないから、ヒントだけ出すけど…」


陽奈の顔が滅茶苦茶怖いから、俺はゴクリとつばを飲みこんでその先の言葉を待つ。