【短】キミを好きだと叫んでみたら

そして、悶々として朝を迎えた翌日。
俺は朝から陽奈にこっぴどく怒られている。


「あんたねぇ!昨日李弥に何したの?!」

「や、あの…」

「李弥、泣いてた。滅茶苦茶泣いてた。もうどうしていいか分かんないって…」


それは俺だって分かんねーよ…と言いそうになって口をつぐむ。
そんな事言ったって、李弥を傷付けた事に変わりはないから。


「俺、もう駄目かも…」

「なんでよ?」

「李弥の彼氏してんの、資格ない…」


そうぼそり、と呟いて机の上のテキストに顔を沈めると、ぐりぐりぐりー!と後頭部を拳で押されて悲鳴を上げた。


「なっにすんだよ!痛ぇなっ!」

「バカにお灸を据えてんのよ。このバカ!」

「うるせぇよ。見て分かんねぇの?今、絶賛凹み中なんだよ!」

「分かるか、そんなもん。李弥の気持ち紘汰は全然分かってない!」