【短】キミを好きだと叫んでみたら

「なんだよ…ばかじゃん、俺」


傷付けた。
完全に、傷付けた。


バカな俺のせいで。
あんな風に泣かせたくはなかったのに。


しかも、それを弟に咎められるとか…最悪。


ギリッと奥歯を軋むほど噛んで、泣きそうになるのをなんとか堪える。


こんな時、どうやったら…李弥の機嫌を直すことが出来るのか、どうやったら仲直りが出来るのか…解決策すら思い付かない。


「〜〜〜っ」


俺は頭を掻きむしって、今度こそ地団駄を踏んだ。
そんな事をしても何の意味もないのに。