【短】キミを好きだと叫んでみたら

「李弥、ごめん!」

「………」

「りみ……っ」

「紘汰くんなんか……きらい…」


震える声でそう言われて、愕然とする。


嫌いって。
嫌いって。
嫌いって…。


ショックを受け過ぎて、瞳の裏がチカチカしてくる。
俺は早足で去っていく李弥の後を追った。


「ま、待って、李弥!」

「しつこいですよ」

「お前に言ってないって!李弥!」

「紘汰くんは…………」

「え?」

「なんでも、ない」


ふいっとそっぽを向かれて、伸ばした手が空を切る。

李弥は、そのまま弟と一緒に俺の前からいなくなってしまった。