「柚月の可愛さとか、たくさんある素敵な部分とか、みんなにたくさん知ってほしいのに……やっぱりダメ、見ちゃダメってなる」


矛盾している想い。

これが『好き』ということなら、なんて難しくてややこしい想いなんだろう。


「だから、そんな柚月にいつ誰が気付いちゃうんだろうって……気が気じゃないんだ」


私の頬を指先で撫で、そのまま髪を撫でていく。


「だから、柚月を好きなんて物好きは俺一人で充分、だからね……柚月もあんまり可愛い顔、他の男の子には見せないで」

「……っ」


髪を少しだけすくいとられ、そこに口づけを落とされる。


その仕草があまりに綺麗で、気付けば私は釘付けになっていたのだった。