目をそらさないで。
ちゃんと前を向いて。
「立ち止まったままじゃ、きっとバカな私から変わらないままだから……っ」
怖くても辛くても、進まなきゃ。
「……俺も、怖かった。幼馴染みって関係にすがりたかった」
「……彼方も?」
「でも、怖くても好きって伝えたかった……拒絶されようと、言わないで後悔する方が怖かった」
そっか……彼方も、怖かったんだ。
「ねぇ、彼方……私も、頑張って向き合うから……だからどうか、もうちょっとだけ待っててほしい」
「……うん。力になれることがあったら、言って」
「……ありがとうっ」
優しく頭を撫でられる。
それがあまりに心地よくて、ずっとこの場所にいたくなってしまう。
ずっと……って。
「あ、あれ、今何時!?」
なんだか物凄く時間がたってしまったような……!?



