「一色くーん! ここの問題分かんないんだけど、教えてもらってもいい??」 「あ……うん、いいよ」 「一色くん私も私もー!」 わらっと、私と彼方との間に女の子の壁ができる。 「…………」 なんだろうこの疎外感……。 「あ、柚月……どこか行くの?」 立ち上がって教室を出ていこうとしたところ、それに気づいた彼方が私に声をかける。 「ちょっと売店行ってくる」 まるで逃げるように、私は教室を後にした。