「でも、これは私の問題だし……彼方にわざわざ付き合わせるわけには」
「柚月、俺のこと、頼ってくれないの?」
気付くと教室には私と彼方しか残っておらず、彼方の悲しそうな声が辺りに静かに響く。
「柚月に頼ってほしい……柚月が好きだから……柚月の役に立ちたい」
「ぅっ、あの……そのっ」
好きだとごく自然に言われ、なんて返せばいいか分からなくなってしまう。
「教えてもらえるのは……有り難い、けど」
「けど?」
「んーと……えーっと……」
断る理由が見つからない。
断る理由なんて一つもない。
「じゃあ……お願い、しようかな」
とりあえず翌日からと言うことで、彼方と二人でテスト勉強することとなった。



